「俺は人じゃない。炎を使えるし、傷だってすぐに治る。認めたくないけど魔神の息子だ。敵も沢山いる。俺が知ってる奴だったり知らない奴だったり、いっぱい。俺の敵は魔神だけだけど。魔神をぶん殴るって言っても、無傷で済むわけない。俺だけならともかく、多分周りも巻き込むと思う。だから、皆から離れた方が良いのは分かってる。もちろん志摩、お前とも」
珍しく饒舌に語る奥村くんは、そこで「だけど、」と言葉を切った。
ずっと伏せられて翳っていた瞳がこちらを向く。あおい、あおい。彼の纏う炎と同じ色なのに、つるりと硬質的なビー玉みたいな眼。
「俺は…お前を切り捨てられない」
「うん」
奥村くんはそういう人やんな。どこまでもひたむきで、その両手に抱えきれないほどのものを大事にしている。いつか崩れてしまいそうなアンバランスさ。きっと、躓くときもそれを落とさないように傷付けないように、身を挺して守るんだろう。なぁ、その時奥村くん自身はどうなるん?
「だから、お前から俺を突き放してくれ」
あぁもう、
(自己犠牲も大概にせぇよ)
「嫌や」
「志摩、」
ゆれる。青い瞳が、炎が、感情が。そう、そっちの方がえぇわ。感情を抑え込むとか、そんなんらしくない。
「お姫様じゃあるまいし、自分の身ィぐらい守れるよ。むしろ、俺からしたら奥村くんの方が危なっかしくて心配やわ」
怪我の治りが早いからって、痛みが無いわけでも、ましてや不死身なわけでもないねんから。見てるだけで痛々しい。俺、痛いのん嫌やのに。
「たとえ奥村くんが俺と縁切る言うても、何度でも結びなおすよ」
奥村くんは自分が巻き込んだ側やと思ってはるんやろうけど、それ逆やで。刷り込み。友達というものをよく知らない彼の、優しさや純粋さに付け入ったのは、俺。
(だから罪悪感なんて感じんでえぇのに)
「奥村くんこそ、嫌やったらちゃんと言わな、俺どこまでも付いてくで」
「…付いて来られるんならな」
何かに執着するとか、ほんまは嫌やけど。らしくない、けど。
(しゃあないやん、放したくないねんもん)
珍しく饒舌に語る奥村くんは、そこで「だけど、」と言葉を切った。
ずっと伏せられて翳っていた瞳がこちらを向く。あおい、あおい。彼の纏う炎と同じ色なのに、つるりと硬質的なビー玉みたいな眼。
「俺は…お前を切り捨てられない」
「うん」
奥村くんはそういう人やんな。どこまでもひたむきで、その両手に抱えきれないほどのものを大事にしている。いつか崩れてしまいそうなアンバランスさ。きっと、躓くときもそれを落とさないように傷付けないように、身を挺して守るんだろう。なぁ、その時奥村くん自身はどうなるん?
「だから、お前から俺を突き放してくれ」
あぁもう、
(自己犠牲も大概にせぇよ)
「嫌や」
「志摩、」
ゆれる。青い瞳が、炎が、感情が。そう、そっちの方がえぇわ。感情を抑え込むとか、そんなんらしくない。
「お姫様じゃあるまいし、自分の身ィぐらい守れるよ。むしろ、俺からしたら奥村くんの方が危なっかしくて心配やわ」
怪我の治りが早いからって、痛みが無いわけでも、ましてや不死身なわけでもないねんから。見てるだけで痛々しい。俺、痛いのん嫌やのに。
「たとえ奥村くんが俺と縁切る言うても、何度でも結びなおすよ」
奥村くんは自分が巻き込んだ側やと思ってはるんやろうけど、それ逆やで。刷り込み。友達というものをよく知らない彼の、優しさや純粋さに付け入ったのは、俺。
(だから罪悪感なんて感じんでえぇのに)
「奥村くんこそ、嫌やったらちゃんと言わな、俺どこまでも付いてくで」
「…付いて来られるんならな」
何かに執着するとか、ほんまは嫌やけど。らしくない、けど。
(しゃあないやん、放したくないねんもん)